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斜め後ろの存在

「お誕生日おめでとうございます」
通りすがりの相手から一言だった。
「おう」
ぶっきらぼうに答えながらも照れくさそうな表情をして
もう、祝われる年でもないんだけど
と付け加えながら「ありがとうな」と言ってヒカルは笑った。

今日は自分が生まれた日。
目を輝かせてろうそくの炎を消していた自分の姿がとてとても昔のことのように感じられる
幼かった自分のことを思い出しながらヒカルはそっと斜め後ろを振り返った。

今でも思い出すだけで懐かしい思いが蘇る。
顔を思い浮かべるだけで胸の奥がきゅとなる。
そんな、自分の人生に大きな影響を与えた相手と出会って別れたあの時から
同じ位の年月が過ぎようとしている。

―俺、もうお前の年を追い越しているのかもしれないな―

久しぶりに思い出した存在に心の中で笑いかけた。

「げっ」
その時、斜め後ろの向こう側から、見知った顔が視界に入った。
嫌そうな顔をしたのが相手に見られたのかもしれない。
近づいてくる相手も不機嫌そうな顔をしている。
でも、
その相手は確実に自分に話しかけてきて、
その相手とこれから碁盤を挟むことになるのだろう。
「俺、今日誕生日なんだぜ」
「だからといって、お祝いに勝ちが欲しいとかではないだろうな」
「んなものもらわなくても、俺が勝つに決まってるからな」

誕生日を祝われて嬉しく思えるのも、碁盤を挟んで心が躍るのもいくつになっても変わらない。
そんな当たり前のことが可笑しくて。ヒカルは笑った。


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何よりも先に、生存報告をしなくてはいけないくらい、ご無沙汰してました。
最初は忙しいことを言い訳にちょっとだけ遠ざかるつもりでした。ちょっとだけ。
それが、書くことへの関心が薄れていくことを実感させられるようで、次第に書くことから遠ざかってしまいました。
お気に入りのサイト閉鎖されるのを寂しく感じるから自分のサイトは閉鎖できなかったり。
気づいたら放置したままでした。すみません。


この数年は放置サイトでしたが、気にかけてくださった方々、
どうしようもない本人よりも通ってくださる方々のお蔭で今日まで生き残っています。
本当にこんな私にもったいないくらいです。ありがとうございます。
ヒカルの誕生日だしと思ったら、お祝いしたくなって。
見事にアップの仕方を忘れていて焦りましたが、何年ぶりかの更新となりました。
自分なりに頑張りましたっ!
もう、書けないかなあと思っていたのですが(笑)、書いてみたら思った以上に楽しかったです。ふふ。
いろいろと粗相があるかもしれませんが、大目に見ていただけると嬉しいです。
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